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労働価値説

4年の間一生懸命に取り組んできた機械が廃止され新しい機械に変った。コンピューター制御の機械で全くの新人でも同じ製品が作れる様になったと云う。この4年は何だったのだろうと考えた。コンピユーターに出来ない仕事をしたくてこの食品会社を辞めたと云う。

松本市の民芸館に呼ばれて訪ねたおりに見かけた青年がドシャ降りの夕立のバス停でバスを待っていた。坊主頭でピアスをしていて印象に残っていた。車を止めて行き先を聞くと駅に行きたいと云う。同じ方向だったので乗る様に行って走り出した。輪島で生活雑記、お椀 重箱 盆などの漆塗りの修行中だと云う。

私は漆の椀は現在の生活には使えないと思っていた。木曽の平沢の職人さんは 精魂込めた漆の椀は毎日他の食器と同じに扱っても何十年ももつ、現にその職人さんは30年使っていると云う。使ってみる気になって妻の分と、2椀求めた、1万6千円だった。この様な高い椀を買ったのは初めてだった。使い始めて2年位になるだろうか、今でも使い始めた時と同じ状態を保っている。最低賃金と云うものが有って今一時間700円位だと思う。材料を考えずすべて労働時間としても1万円の椀は14時間余り、気のとうくなりそうな時間を掛けた物作りに励む人たちがいる。安西淳さん 貴方の将来を見つめていたい、